ディープでふしぎなハワイのおはなし
ディープでふしぎなハワイのおはなし
副題がSPIRITUAL HAWAII。
スピリチュアルという文字には、何となく抵抗がありました。
少し前にも、どこかのテレビ番組で、亡くなったことにされていた父親が実は生きていたなんて報道もありました。
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正直なところ若干抵抗のあった読書前でしたが、すんなり物語に入っていけたのは、1章目に書かれていた一言がきっかけでした。
著者であるタマラ・ピイラニ・エルドリッジの父親の従弟に、私も知っている有名なウォーターマンがいたからです。
何となく伝わりますかね?
初対面の人とのぎこちない会話の中で、偶然、共通の友人を発見した時のようなこの感覚。
いや、別にエディ・アイカウとお友達なわけではありませんが、 なんとなく嬉しかったんです。知っている名前が出てきただけで。
偉大なるウォーターマン「エディ・アイカウ」については、以前のエントリでもご紹介しています。
ハワイに伝わる神話と歴史
「ディープでふしぎなハワイのおはなし」では、ハワイの神話や宗教の歴史に触れており、まさにSPIRITUALな雰囲気なのですが、ハワイが好きという方なら興味を持つ話ばかりです。
観光ガイドブックに飽き足らず、ディープにハワイ文化を知りたいという方も、肩肘を張らずに楽しめる読み物ではないでしょうか。
巻末には「覚えておくと便利なハワイ語」が付いています。
印象的だったのは、第3章「もっとも大事なハワイ語」のAloha Spirit Lawという法律についてでした。
「ハワイに住む人々には、アロハスピリットにのっとって行動する義務がある」というもので、法的な効果はないのですが、この法律こそがハワイに住む人々の誇りであり支えであるという話でした。
もちろんハワイに犯罪が無いわけではなく、むしろハワイ州の人口10万人あたりの窃盗件数は全米で第1位(2004年 外務省)であり、日本とは違う外国という側面もあるので、注意が必要です。
けれど、こうした自然に生まれてくる規律というのは、何よりも尊い。そんな気がします。